母が壊れてゆく・・・

母が、アルツハイマーと診断されて2年が過ぎた。
だが、その前から、大好きだった買い物や、家事が出来なくなっていた。
4,5年にもなるだろうか。

この病いの怖いところは、記憶力、思考力、判断力などの認知機能が徐々に衰退し、
環境把握が出来なくなり、ついには何も出来なくなり、寝たきりになってしまうことである。
自分が今、どこにいるのか、ここはどこなのか、どうしてここにいるのか、何をしているのか、
また、一体何をすればよいのか、どう考えればよいのかわからないことが
次々に増えてゆく。そのことへの不安や恐怖感すらもなくなってしまうのである。

母は、今、その渦中にある。確実にそのプロセスをたどっているように思われる。

母が入院して、ちょうど1ヶ月が過ぎた。
骨粗鬆症による圧迫骨折で、4回目の入院である。
1回目は12年前にさかのぼる。第12胸椎だった。完全につぶれ背骨が大きく曲がった。
2回目は1昨年の正月。正月早々、救急車で病院に担ぎ込まれ即、入院となった。
第3腰椎の圧迫骨折であった。1ヶ月半ほどで痛みもなくなり、一旦退院したものの、
程なく再入院となった。日常生活に復帰するまでに結局5ヶ月を要した。

それから1年と8ヶ月、月曜日から土曜日までせっせとデイサービスに通い続けた。
そこを自分の終生の”職場”と思い、通ってくれた。生きがいにもなっていた。
朝10時半にお迎えが来て、夕方5時半ころ送り届けてくれるまで
ほぼ毎日を、楽しい語らいの場や物見遊山で過ごしてきた。
介護の仕事を「天職」と心得たスタッフの方々の、
心のこもった介護サービスが、母にとってどれほどありがたいものだったか。

今にして思うに、
失禁し、衣類やシーツを汚すたびに
「みんなに迷惑をかけるから、私をどこかに連れて行って!」
「早く死んでしまいたい」と繰り返し叫んでいたことが、
自分がそうした姿をさらすことが耐え難い苦痛だったのだと・・・
家族に迷惑をかけたらいけないからと、
多少きつくても、”仕事”を休みたくても
「鬼」のようなこの息子から、「動かないと寝たきりになってしまうよ!」と
”叱咤激励?”されて、大きく湾曲し、重い体躯を引き摺るようにして通い続けた
デイの毎日が、母の身体にとっては無理があったのかもしれない。

今回は、第1腰椎の圧迫骨折だった。

「アルツハイマー」が、人間の知覚にとって恐ろしい病いであるように
運動能力にとって、とても怖い病いが「骨粗鬆症」だ。
上半身を支える胸椎や腰椎という「背骨」「腰骨」が
スカスカになって押しつぶされていくのだから、
これほど怖いことはない。
その痛みは、想像を絶するものだろう。
「悪いことはしてないのに、何で私がこんな痛い目にあわんといかんと!」
と、叫ぶ母を前に、なす術の無い自分がいた。

「頭」と「身体」の双方が、少しずつ少しずつ、
だが、確実に壊れていく母を見ていて、
親の「介護」の大変さは、時間や労力以上に、
容赦なく突きつけられる、その耐え難い事実にあるのだと思う。


http://blogs.yahoo.co.jp/sawarajian/23865716.html

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